既報(8/5付)の“簡素な会計指針が必要”との「非上場会社の会計基準に関する懇談会」座長=安藤英義企業会計審議会会長)の内容が、ASBJのHPでアップされました。

【検討結果】

第一回会合が開催されたのは今年の3/4、早くも7/30の第五回会合において検討結果がまとまり、報告書として取りまとめられたものです。

報告書の公表は8月中になるようですが、検討結果としてプレスリリースされた内容は、注目すべき内容が散りばめられたものとなっています。

 →ASBJ/FASF 非上場会社の会計基準に関する懇談会 検討結果(概要)

【コメント】

今回の検討結果(概要)を拝見しましたが、既に当HPで櫻庭がコメントしている内容に付け加えて、以下の点が少々気になリます。

1. 基本的な視点について

● 「非上場会社の会計基準に関する基本的な考え方」として記載されている内容ですが、「会計基準の国際化との関係」「法人税法との関係」に触れていますが、会社法の計算規定等との関係についてどのような調整を行うのか、明記していないのはいかがなものか。

● 「普及のための施策等」の記載を設けたことは、おおいに積極的な方向付けになっていると考えます。

2. 非上場会社の分類と適用される会計基準・指針について

● 金商法非適用の会社法上の大会社について、「上場会社に用いられる会計基準と整合性を図っていく必要がある・・ただし・・・今後、上場会社に用いられる会計基準を基礎に、一定の会計処理及び開示の簡略化を検討していくことが適当である」としているが、これまで実務において曖昧にされてきたと思量する点について触れたもの。期待するとことが大です。

● 上記について、ASBJはどのようにいつまで検討し明らかにするのか、注目して見守りたいと思います。

● 現行の中小指針を見直すとしているが、「現在の中小指針を適用する会社群」との記載との関連や意図するところなどについて、今後の推移を注意深く見守る必要がありそうです。

中小企業庁の「中小企業の会計に関する研究会」の取りまとめの動向とも併せて、どのような「新たな区分の指針」などとなるのか、目が離せないときのようです。