年内公表が予定されている「中小企業の新会計」に対する、税理士業界の方向性が明確になりました。
新会計の普及に最も影響力があるといわれる税理士業界が、遂に「新たな会計ルールの方向性とその普及方策」に乗り出したのです。
いよいよ新会計については
・“新会計とは何か?”
という段階から
・“新会計に実務的にどう対応すべきか?”
といった段階に進化してきました。
日税連、中企庁と新会計普及で協議[E:happy01]
日税連は中小企業庁と実務者協議会を開催し、「新たな会計ルールの方向性と普及方策を検討した」と、日税連機関紙が報じ注目を集めたところでした。
→詳しくは 櫻庭通信10/21「日税連 新会計の普及等で中企庁と協議」
驚くことに、この実務者協議会の前日までに、日税連は新会計”対応の組織的な対応を整えて、そのうえで万全の体制で協議に臨んでいたことが、日税連機関紙(税理士界)により明らかになりました。
日税連の組織的対応とは
同紙によると、9月27日に第9回正副会長会を、翌28日に第2回理事会を開催して、
「中小企業会計研究会の所掌に『中小企業の会計処理のあり方』を追加する設置要綱の変更が承認された」(「税理士界」H23/10/15号)
とのこと。
その意図について
「これは、中小企業の新たな会計処理のあり方が中小企業庁を中心に検討されている状況に対応するもの」
と同紙は記して、新会計への組織的な対応であることを示唆しています。
強力な布陣 新会計検討グループ発足
注目の“新会計問題に対応する組織”について、同紙は次のように報じています。
「『中小企業の会計処理のあり方』検討グループ=前記全員で構成」 [E:sign03]
即ち
・浅田専務理事(会計指針検討グループ長)以下、会計指針検討グループの委員4名
・櫻井専務理事(行動指針検討グループ長)以下、行動指針検討グループの委員5名
の合計9名で『中小企業の会計処理のあり方』検討グループが組成されたのです。
文字通り、組織の総力を傾注した強力な布陣を新会計対応のために敷いたといえましょう。
日税連の“新会計”に対する危機感・意欲が十分に窺えるところです。
万全の体制で“新会計”の普及方策の協議スタート[E:heart04]
日税連は、こうした強力な布陣等につき組織的な合意を9/28までに形成したうえで、翌9/29に「中小企業の会計に関する検討会」事務局である中企庁と実務者協議会を開催したのです。
その席には、池田会長とともに、『中小企業の会計処理のあり方』検討グループ構成員である櫻井・浅田両専務理事など同グループの委員が同席をし、「会計については・・新たな会計ルールの方向性とその普及方策を検討」(同紙)しています。
まさに万全の体制を敷いて、中企庁と一気呵成に協議をスタートさせているのです。
急展開した新会計への対応
このように、この1ヶ月ほどで、新会計に対する会計人の取り組みが急展開しています。
新会計は、年内公表が必至。3月決算を控え、具体的な対応が会計人には求められることになりそうです。
“新会計とは何か?” という段階から、“顧問先に新会計をどう説明し実務的に対応してもらうか?”などといった実践的な段階に進化してきました。
急ぎ情報を入手し、対応を検討することが肝要だと、思量します。