中小企業の会計を巡る最近の動向の意味するところは何か、この点についてふれた櫻庭の発言(ある編集者にあてたメール)を参考までご紹介します。

ご案内のように、中小企業をめぐる会計が風雲急を告げております。
風向きは
・現行の中小会計指針の平易化
・新たな簡素な会計指針の作成
といったところで、中小企業に適用される会計基準・指針のグランドデザインが始めて描かれることになりそうです。

そうすると、その影響が注目されるところです。
これまで、中小企業向けの会計基準がないので・・ということで、結局は税法ベースだけで仕事をしてきた会計人はどうすればいいのか?
中小企業向けの使いやすい会計を使って経営に役立つことを、経営者は誰から学ぶのか?
などなど、来年にかけて地味ですが、インフラが変化する≒地殻変動が進むのではと思っております。

こうした動きは、会計人の業界だけに影響が及ぶものではないことも肝に銘じておかなければならないことです。

「今後、本報告書に記載した具体的な対応を進めていくにあたり、関係者による精力的な取り組みを期待したい」と非上場会社の会計懇談会の報告は結論づけています。
「中小企業が、新たに会計処理のあり方を示すものを活用し、身の丈に合わせて会計の質の向上を図るためには、その取りまとめ後の普及促進が重要である。このため、新たに会計処理のあり方を示すものを取りまとめた後、中小企業庁、法務省、金融庁などの関係官庁、中小企業団体や金融機関などの中小企業関係者、税理士や公認会計士といった中小企業会計の専門家やそれらの団体が協力して、中小企業への指導、教育、普及等に努めることとする」と中小企業会計研究会の中間報告案で中小企業庁は意気込みを語っています。

会計人は企業などへのサービス業なのだということを実感する会計人と経営者が、当たり前になる時代が2015年までには訪れると、櫻庭は予想しております。