さて今回は、株式上場を目指すベンチャー企業の
監査役を務めていたD税理士の例です。
D氏は、会計参与制度ができるとすぐ、
就任することの戦略的優位性を実感したそうです。
この企業は平成13年設立、情報システム開発を行っています。
資本金5千万円で従業員は20数名。
主要業務は、ASP事業・情報システム開発・販売・物流業務・
小売業務コンサルティングと幅が広く、
取引銀行は都銀と信金が各2行。
株式上場をにらんで急成長を遂げているものの、
社内の経理ルールや計算書類の作成体制が整っていない
というのが実情でした。
位置づけと業務の一致
計算書類作成のサポートをしていたのがD氏。
監査役でありながら計算書類の作成を手伝うことに
違和感を持っていたところ、“渡りに船”だったのが
会計参与制度の創設でした。
個人でしか就任できない監査役よりも、
税理士法人として就任できる会計参与の方が
事務所と会社との関係がわかりやすいし、
「会計参与を引き受けられる事務所」イコール
「作成する計算書類の精度が高い事務所」という表明にもなります。
実際に会見参与に就任することで説得力が出てきました。
ーーーこの項、(13)に続くーーー