会社法制の見直しを議題にした法制審議会の会社法制部会が6/23に開かれ、前回に引き続き企業統治の在り方等についての報告等がなされた後、企業統治の在り方・親子会社に関する規律等についての指摘の背景・見直しに関する要否・範囲・方向性等について、意見交換が行われたようです。

 →法務省HP 会社法制部会第3回会議

【論点整理を次回に行う】

次回8/25の第四回会議では、これまでの審議の論点の洗い出しを整理したものを事務当局より提案させたうえで、第一読会に入るようです。

【中小企業にとって注目すべき内容】

第3回会議の発言にざっと目を通しました。
中小企業に関係することで注目すべき内容は次の諸点です。

● 諮問事項が「企業統治の在り方や親子会社に関する規律等を見直す」ことであるため、どうしても公開会社が議論の中心になっているなか、部会長より「・・非公開会社も非常に重要でありまして・・第三者割当て等の問題は、ある意味、非公開会社では持分割合希釈化の問題がより深刻と言えますので、それはここで検討しておく必要があると思います。」との指摘がなされています

その前段で、幹事(三原弁護士)より「会社法を、上場会社あるいは有報提出会社を念頭に置いて改正するかどうかという議論は、重要な問題ではございますけれども、我々在野法曹としては、それ以外の一般の非上場の普通の中小企業ということも念頭に置いて、いろいろ日々、業務をしているわけでございますので、この辺の視点がどうなのかという問題意識もございます。」との発言もなされているところです。

今後も中小企業へどのような影響が及ぶかという視点からのウォッチングを続ける必要がありますね。

● 過料制度の現代化について、「過料が実効的でなく、規律として機能していないとの指摘がある」との問題点が示されたうえで、対応策(案)として行政機関が起訴できるよう手続きを簡易化することや、過料による罰則が必要な事項と不要な事項を整理することなどが示されています(幹事である経産省奈須野氏発言)。

そのうえで例として、小規模な会社における計算書類の公告懈怠に対する過料(会社法976条2号)の制裁は不要とすることを掲げています。

中小企業に不評のあの公告懈怠の百万円の過料制裁が不要と整理されれば、インパクトが大です。