金融行政の重点

会計人向け雑誌に、金融庁長官・畑中龍太郎氏が寄稿されています。
(『会計・監査ジャーナル』 No.679 FEB.2012)

『現下の金融行政と監査・会計の役割』 と題する中で、
2番目に “中小会計要領” を掲げられている点に注目です。
「中小企業の会計のあり方を考える上で重要なことは、
中小企業の特性を踏まえたものになっているかということ」
と述べられた上で、金融検査マニュアル 「中小企業融資編」 と、
“中小会計要領” に触れられているのです。
金融機関の指導・監督権限を持つ金融庁のトップのこの動きは、
同要領の普及・運用に弾みをつけるのではないかと思われます。

金融機関を通じての普及

金融庁が金融検査マニュアルに “中小会計要領” を盛り込み、金融機関に対して
この会計ルールの重要性を知らしめる可能性が出てきたと読む向きもあります。
金融機関が中小企業に融資を行う際、これからは “中小会計要領” に則った決算書を求めるようになる、
と言われてきましたが、それがいよいよ現実味を帯びてきました。